アートセラピーの効果と目的
アートセラピー(芸術療法)の効果と目的
アートセラピー(芸術療法)は、言語によるセラピーよりも五感や感情とのつながりが大きいです。 それは、感情は言葉よりもアートの方が表現しやすいからです。
感情はもともと、抽象的であいまいなものです。 はっきりとした言葉にはなりにくい自分の感情も、イメージをアートにぶつけることにより表現することができます。また、アートは感覚の発達を促します。
アートセラピーの目的は絵の分析ではありません。上手に描く事が目的でもありません。 アートセラピーの目的は、自由な自己表現の中で自分の内面と対話をし、自分の本当の感情に触れていくことです。
絵の診断的側面 (心理テストとしての意味)
グレッグの著書 「絵が語る秘密」 にも書いてあるように、絵にはその時の心の状態が表れています。 色使い・配色・タッチ・構図・描かれたモチーフなどから、その時の心理状態や関心が向いている方向を見ていくことができます。
- ■絵と心の関係■
- 暖色は気持ちが外に向いている(解放・発散)ことが多い。
- 寒色は気持ちが内側に向いている(集中・内省)ことが多い。
- 対比的な配色が見られる場合、気持ちの上での対立や葛藤があったり、何かはっきりとさせたいことがある。
- タッチの荒さや優しさは、そのまま心の状態につながる。
心の状態だけでなく体の状態が絵に表れることもあります。
頭に鈍痛がある時に描いた人物の頭が黒く重たそうだったり、内臓の悪いところを赤く強調してぬることもあります。
絵は心理テストや体の状態を知る目的のために使われることもあります。
しかし、セラピストが作品やその製作過程から読み取った解釈をクライエントに伝えることはありません。
大切なのはセラピストが診断をすることではなく、クライエント本人が絵から自分の心身の状態に気づくことだからです。そのための環境を整えサポートしていくのがセラピストの役割です。
絵のカウンセリング的側面
絵を通したセラピストとの交流の中で、あなたの心身の状態を知る事ができます。 自分自身のことは案外、自分だけではわからないものです。
自分が何をどう感じているのかを言葉にできますか?
絵にはそれが象徴的に表れています。
絵を通して自分の心を見つめ直したり、心の奥に鬱積した感情を絵の中に吐き出してみましょう。 言葉のやりとりを中心としたカウンセリングでも同じことをします。
アートセラピーではそのプロセスを言葉だけでなくアートを通して進めていきます。 アートは言葉よりも心や感情との結び付きが強いから。 カウンセラーもセラピストもクライエントの病気を治す「治療者」ではなく、クライエントが自分の無意識の感情に近づけるように努力をする「付き添い人」です。
感覚・能力を磨く
アート、つまり創作活動は人の五感の発達を促します。 感覚は使わなければ衰えていきます。身体的外傷や年齢による衰え、ストレスによる感覚麻痺、恵まれすぎた環境の悪影響など、多くの理由で感覚の衰退は起こり得ます。
また子どもの成長過程には感覚がめざましく成長する時期があり、その時期に五感を発達させる機会を奪われると、その後その発達を取り戻すにはかなりの努力が必要です。幼少期の「お受験」などは感覚が成長する大切な時期に、子どもの五感を養う機会を奪いがちです。 大人でも子どもでも、五感を養うのに最も適しているのは「遊び」です。そしてそれと同じくらい適しているものが「アート」なのです。






