描画テスト・投影法の種類と分類

描画テストの分類

自由画と課題画

描画テストでは、自由に描かれた絵からも人格や心理状態を知ることができますが、課題を与えることで、心理テストとして、過去の描画と比べたり、他のクライエントの描画と比べることがしやすくなります。

白黒と色彩

描画テストは白黒、つまり白い画用紙に黒い鉛筆で描かれるものが多いですが、色彩を加えて発展させた描画テストもあります。

描画テストに色という要素を加えることで、心的エネルギーの量がわかったり、情緒的な刺激に対する反応・耐性が表れやすくなります。また色彩を取り入れることで、クライエントの退行を促す効果もあります。

※退行については治療的に働く場合と非治療的に働く場合があるので、注意が必要です。

描画テストの種類

・バウムテスト「1本の(実のなる)木を描く」
・HTPテスト「3枚の画用紙にそれぞれ、家、木、人を描く」
・SHTPテスト「1枚の画用紙に家、木、人を描く」
・HTPPテスト「4枚の画用紙にそれぞれ、家、木、人、反対の性の人を描く」
・人物画
・家族画
・動的家族画「家族の人が何かをしている絵を描く」
・風景構成法「1枚の画用紙に、川、山、田、道、家、木、人、花、動物、石、足らないと思うものを描く」
・スクリブル「はじめになぐり描きをし、見えたものを絵にする」
・スクイグル「セラピストとクライエントで相互になぐりが描き→絵にするを行う」

描画テスト以外の投影法

投影法の中には、描画テストの他に、クライエントにあいまいな刺激(絵や写真)を見せて、それに対する反応を言葉で答えてもらう心理テストもあります。

・ロールシャッハテスト「インクのしみを見せて、想像したものを答える」
・TAT(主題統覚検査)「絵を見せて、物語を作る」
・PFスタディ(絵画欲求不満テスト)「絵を見せて、吹き出しに入るセリフを答える」
・ソンディ・テスト「複数の顔写真を見せて、好きな顔と嫌いな顔を選ぶ」

参考文献・おすすめの本

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高橋依子、牧瀬英幹/描画療法のさまざまな実践について、章ごとに1つずつ徹底解説。適応の見極め、導入の手順、描画の解釈などの基本的な進め方、細かい工夫や注意点などを、事例をあげながら具体的・実践的に説明する。