高齢者のアートセラピー

高齢者施設でも、音楽療法やアートセラピーを取り入れているところが増えています。

アートセラピーのワークショップに参加して、リハビリでは上がらなかった腕が上がった、車いすに座りっぱなしだったおじいちゃんが気がついたら立ち上がっていたなど、周囲が驚くような成果も見られます。

高齢者のアートセラピー

うまく描かなくてもいい。作ることを強要しない。達成感を得られるようなサポートと、ほめ合える空気づくりを心がけましょう。

できたという満足感。ほめられたうれしさ。気持ちが伝わる喜び。

アートをとおして得られる幸せな気持ちが、生きる力になります。

高齢者アートセラピーの効果

脳の活性化

アートセラピーでは、頭で考え、心を動かし、手先を使って、楽しむことで、脳の機能が活性化します。

高齢者がアートに取り組むことで認知症の症状改善や介護予防にも役立つと考えられています。

生きる意欲が増す

高齢者は与えられたメニューとスケジュールをこなすという受動的な姿勢になることが多く、自分で考えて行動する機会がどんどん減っていきます。

アートを通して自ら能動的に取り組むことで積極的に生きる気持ちを取り戻します。

コミュニケーションが広がる

いっしょに物づくりに取り組むことで、今まで会話がなかった周囲の人や家族とも自然にコミュニケーションが広がります。

アートを通して達成感を得られることで、表情がいきいきしよくしゃべるようになる方が多いです。

五感を通して取り組む

アートセラピーは上手に絵を描くための教室ではありません。

歌を歌いながら、体を動かしながら、香りを嗅ぎながら、風を感じながら。

自由な心で取り組めるように心がけましょう。

季節を感じるテーマや、昔の日本の風景画などが高齢者に喜ばれます。

昔話に花が咲き話がとまらなくなること。目の前のものではなく思い出の作品を描くことも多くあります。

高齢者アートセラピーの画材選び

パステル、粘土、墨汁、食紅、色紙、ぬりえ、コラージュなどが使われます。

高齢者は小さな画材を口に入れてしまうことがあるので注意が必要です。

グループで行うときは上手下手の差ができにくい画材を選ぶといいでしょう。

簡単だけども満足度の高い画材を選ぶのが理想です。

高齢者アートセラピーの課題

高齢者のアートセラピーは、リハビリや作業療法とは異なり介護保険の対象になりません。

そのため、高齢者施設などでのアートセラピーはボランティアで行われることが多いです。

アートセラピーに関わらず、どんなに素晴らしい取組みでも収益が出ないことには継続していけません。

アートセラピーの効果を実証していくために、アートに取り組んだ高齢者の認知機能が改善したとか、精神機能が落ち着いたとか、科学的・医学的な検証の積み重ねが必要です。

参考文献・おすすめの本

参考書籍・おすすめの本の中からランダムで表示中

高橋依子、牧瀬英幹/描画療法のさまざまな実践について、章ごとに1つずつ徹底解説。適応の見極め、導入の手順、描画の解釈などの基本的な進め方、細かい工夫や注意点などを、事例をあげながら具体的・実践的に説明する。