絵の読み解き

絵には描き手の心の状態が表れています。
絵に表れた心を読み解いていくときは、次の点に注目してみましょう。

絵のテーマ

絵の中に現われるテーマは、心の中の動きを表しています。

戦いがテーマになっているときは、心の中に葛藤があるときかもしれません。

陽気な気持ちのときはPOPな絵も描けますが、元気がないときには絵にも元気がなくなります。海をテーマにした絵を描いても、心が荒れているときと穏やかなときとでは、波の高さが違います。

目立つところ

絵には心の状態が現われます。
興味のあるところや、気持ちが向いているところが大きく強調されていたり、逆に欠けていたりします。

元気で走り回りたいときは、とても力強い足を描いたり、動物の足の数が実際よりも多かったり。
出かけるのが億劫なときは、とても大きく重たそうなくつをはいたいたり。
色々と悩んでいるときに、とても頭の大きい、頭でっかちな絵を描いたり。
言いたいことが思うように言えないときに、口が描かれていなかったり。

また、人物の絵を描いたときに、自分の体の悪い箇所が強調されて描かれることがあります。

お腹が痛いときに、お腹のあたりを暗い色でぬりつぶしたり。
心臓の弱い子が、胸のあたりにだけ血のような赤を使ったり。
アトピーの人が、掻き毟ったようにザラザラしたタッチの絵を描いたり。

時々、まだ本人も意識していない病気が、絵に現われることがあります。きっと無意識の中で、体はわかっているのでしょう。

モチーフを見る(投影と象徴)

自分の心の状態が、絵の中の何かに投影されて、象徴的に現われることがあります。

ゆっくり考えて行動したいときに、カメの絵を描いたり。
怒りが爆発しそうなときに、火山の噴火や爆弾の絵を描いたり。
どうしようもなくて、手も足も出ないときに、雪だるまを描いたり。
心にゆとりがあるときに、大きな木を描いたり。
遠くへ行きたいときに、鳥の絵を描いたり。
気持ちが解放されたときに、虹の絵を描いたり。

描いた本人がそのモチーフに、どんなイメージを持っているのかが大切です。

色と心の関係

絵を読み解いていくときに、絵に使われている「色」も重要なポイントです。色と心の関係については下記ページで紹介します。
>「色と心の関係」

参考文献・おすすめの本

参考書籍・おすすめの本の中からランダムで表示中

高橋依子、牧瀬英幹/描画療法のさまざまな実践について、章ごとに1つずつ徹底解説。適応の見極め、導入の手順、描画の解釈などの基本的な進め方、細かい工夫や注意点などを、事例をあげながら具体的・実践的に説明する。